スーパーで見かけるほうれん草とサラダほうれん草。どちらもほうれん草ですが、違いはあるのか気になりませんか?
ほうれん草とサラダほうれん草の違いは、『生でそのまま食べられるか食べられないか』になります。
実は栄養価に大きな違いはありません。
そこでこの記事ではほうれん草とサラダほうれん草の違いと、普通のほうれん草を茹でずに食べるときの注意点を調べました!
新鮮なほうれん草の選び方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。♪
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ほうれん草とサラダほうれん草の違いはシュウ酸の量
ほうれん草とサラダほうれん草の一番の違いは、シュウ酸の量になります。
ほうれん草に含まれるシュウ酸が原因で、普通のほうれん草は生食用には向かないのですが、ここではその『シュウ酸』について解説します。
ほうれん草はなぜ生食に向かないのか
スーパーなどでよく見かけるほうれん草には、シュウ酸が含まれています。
このシュウ酸が含まれているため、ほうれん草はしっかりアク抜きをしないと食べづらいのです。
ほうれん草を洗っただけで茹でずに炒めたときや、そのまま食べたら口の中がキシキシと嫌な感じになったことはありませんか?
これはほうれん草に含まれているシュウ酸が、唾液の中のカルシウムと結びついてシュウ酸カルシウムになることが原因です。
シュウ酸カルシウムは不溶性のため口の中にとどまり、えぐみのもとになります。歯にこびりつくことで、歯石の原因にもなり不快感が残ってしまいます。
さらにシュウ酸は摂取量が多いと、結石ができるリスクもあるので注意が必要です。
ほうれん草の他にもキャベツやレタス・ブロッコリーなど、多くの野菜に含まれる。
ジカルボン酸(2つのカルボキシル基を分子内にもつ化合物のこと)の一種で、カルシウムなどのミネラルと結びつくことで、ミネラル分を多く保つ働きがある。
水によく溶けるという特徴がある。
シュウ酸が含まれた食材を食べると、腸の中でカルシウムと結びつくため、そのまま便となって体の外に出されます。
ところがシュウ酸の摂取量が多くなると、全てのシュウ酸が腸の中でカルシウムと結びつくことができない状態になります。
腸内でカルシウムと結びつくことができなかったシュウ酸は、次に尿に取り込まれるのですが、その尿の中でカルシウムと結びつきます。
カルシウムと結びついたシュウ酸は石のように硬い『結石』と変わり、腎臓や尿管に負担をかけてしまうことになるのです。
『尿路結石』という言葉を聞いたことがあると思いますが、かなりの激痛をともないます。
尿路結石ができてしまった友人が病院へ搬送されたのですが、「痛みで涙が止まらずジッとしていられなかった。二度と経験したくない。」と話してくれました・・。怖いですよね。
しかしシュウ酸は水に溶ける特徴がありますので、食べるときにしっかりアク抜きをすれば大丈夫です!
キャベツやレタスなど、生で食べることが多い野菜にもシュウ酸は含まれますが、含有量はほうれん草と比べるとかなり少量のため食べても問題ありません。
サラダほうれん草はシュウ酸を少なく改良したもの
ほうれん草はタケノコなどと同じくシュウ酸の多いことが知られている野菜ですが、そのほうれん草からシュウ酸の含有量を少なく品種改良されたものがサラダほうれん草です。
シュウ酸が少ないため、生のままで食べられるところが、普通のほうれん草と大きな違いですね。
茹でる必要もなく生で食べられるので、シャキっとした食感のままほうれん草を味わうことができます。
濃い緑色が鮮やかな食材なので、見た目もよく彩のきれいなサラダを作ることができますよ。
ほうれん草とサラダほうれん草の栄養はほぼ同じ
ほうれん草とサラダほうれん草に含まれる栄養は、ほぼ同じです。
ほうれん草はビタミンAやビタミンC、カリウムや鉄分など栄養が豊富な緑黄色野菜ですから、たくさん食べて栄養を摂りたいですよね!
ただしカリウムやビタミンCは水溶性ですから、アク抜きのため茹でると流れ出てしまいます。
ですからほうれん草の栄養をしっかり摂りたければ、サラダほうれん草の方がおすすめですよ。
アク抜きの必要がなく、そのまま食べることができるため、ビタミンCなどの栄養が失われることなく摂取することが可能です♪
ほうれん草の茹で方と生で食べるときの注意点
シュウ酸が多く含まれているため、生食には適さないほうれん草。アク抜きをしてシュウ酸を取り除く必要がありますが、その一般的な方法が『茹でる』です。
ここではほうれん草の茹で方と、茹でずに食べるときの注意点をまとめましたよ。
ほうれん草の正しい茹で方
ほうれん草はシュウ酸を取り除くために、しっかりアク抜きする必要があります。
しかし茹ですぎてしまうと、必要以上に栄養も流れ出て風味も落ちてしまいますので、茹で時間を最小限に抑えることが大切です。
ほうれん草の茹で方
・しっかり洗う
根の部分が長いものは切って、均一に火が通るように根元に十字の切り込みを入れましょう。
そして根本から葉にかけて土などの汚れをしっかり落としてください。
・たっぷりのお湯を準備する
茹でるときのお湯の量は、鍋の大きさにもよりますが茹でるほうれん草の高さの2倍程度の量が理想です。
ほうれん草を鍋に入れた時に、全体がしっかりお湯に浸かるようにお湯を準備してくださいね。
・塩を少量入れる
お湯が沸騰してきたら、水1Lに対して小さじ1程度の塩を入れます。(このときお湯が吹きこぼれないように注意してください)
塩を入れることで、ほうれん草の緑色が鮮やかに、さらに塩味で旨味も引き立ちます。
・茹でる
ほうれん草の根元からお湯に中に入れて、葉の部分まで入ったところで、全体をしっかりお湯につけます。
そしてムラがないように上下を入れ替えながら、目安として1分程度茹でてください。
・冷水に入れる
茹で終わったら、ボールにためた冷水に入れてさらにアクを抜きます。
長時間水に入れていると、ビタミンCなどの栄養もどんどん流れ出てしまいますので、ほうれん草が冷めたら取り出します。
・軽く水気を切る
根元を揃えて絞るのですが、このときに強い力でぎゅっと絞らないように気をつけてください。
絞り過ぎるとほうれん草の繊維ばかりが残って、パサパサの食感になってしまいます。
水気を軽く絞ったら、あとは食べやすい長さに切って、お好きな料理で召し上がってください。
ほうれん草を茹でずに食べるときのポイント
普通のほうれん草を、アク抜きせずそのまま食べることはおすすめできません。
茹でずに炒めたいときも、必ずアク抜きをしてください。
茹でないときのアク抜き法
・水につける
まずは水につける方法です。シュウ酸は水溶性ですから、水につけることで溶けだしアクを抜くことができます。
ただし、茹でる方法よりもシュウ酸を取り除く量は少ないため、食べ過ぎないように注意しましょう。
茹でるときと同じように、根元からきれいに土などの汚れを落としてください。
汚れが落ちたら4~5mの長さに切って、水に2~3分程度つけておきます。
このとき細かく切った方がよくアク抜きできますが、あまり細かく切ってしまうと調理しづらくなるので、4~5cm程度で大丈夫です。
2~3分経ったら水気を切って、炒めたり和え物になどお好きな味付けで召し上がってください。
・レンジでアク抜きする
レンジでアクを抜く場合も、まずはきれいに洗います。
水がついたままのほうれん草をラップで包み、600wで2分間加熱します。
レンジから取り出したら水にさらしてアクを抜きます。この時ほうれん草は熱いので、私はラップに包んだままの状態で、水の中に入れてからラップを外しています。
レンジで加熱するだけではアク抜きはできませんので、必ず水にさらしてアクを抜いてくださいね。
新鮮なほうれん草の見分け方は?栄養豊富で離乳食にもぴったり
ほうれん草は年中流通しているので、いつでも買うことができる野菜ですよね。
しかし季節によっても栄養価などが変わってくるので、ここではほうれん草の旬と鮮度の見分け方を解説します。
ほうれん草の旬は冬で栄養価も高い
ほうれん草の旬は冬です。産地によっても若干変わりますが、11月~2月頃のほうれん草が一年の中で最もおいしいと言われています。
暑さに弱く、霜や冷たい空気にさらされることで、ほうれん草自身が身を守るため糖度を上げます。糖度が上がったほうれん草は、甘味が増してさらにビタミンなどの栄養価も上がります。そのため冬の寒い季節がほうれん草の旬になるのです。
この時期のほうれん草は緑色も濃く鮮やかで、夏場のものと比べて栄養価はとても高いです。
新鮮なほうれん草の見分け方
ほうれん草を選ぶときは鮮度がいいものを選びたいですよね。
まず見ていただきたい部分は葉の色です。濃い緑色のものほど鮮度がいい証拠です。色むらや黒ずみがあるものは鮮度が落ちてるので、全体的に濃い緑色の葉を選びましょう。
そして葉の部分にハリがあり、厚みのあるものを選んでください。しおれているのは鮮度が落ちたものですので避けましょう。
次に茎の部分は適度な太さのものがいいです。細いものは葉の部分も細くなり、栄養や旨味も落ちてしまいます。逆に太すぎる茎は成長し過ぎで葉が固くなってしまい、舌触りが悪いです。
最後に根元を見てください。ほんのりきれいなピンク色をしていて、切り口がみずみずしいものが良いです。
根元のピンク色は甘味がある証拠です。鮮度が落ちるとピンクの色味もくすんで、切り口が乾燥しています。
・葉の部分全体が濃い緑色をしてハリと厚みがあるもの
・茎は細すぎず太すぎず適度な太さのもの
・根元はきれいなピンク色でみずみずしいもの
新鮮なほうれん草で、おいしくたくさん栄養を摂ってくださいね!
離乳食初期からほうれん草は大活躍!
ほうれん草は栄養価が高く、離乳食初期から赤ちゃんが食べられる食材のため、私も子どもが赤ちゃんの頃はよく食べさせていました!
離乳食を始めたばかりの頃は、トロトロにしたペースト状のものにするのが目安です。
野菜や果物をペースト状にするならハンディブレンダーがおすすめです。
こちらの商品にはブレンダーの他に、みじん切りが簡単にできるチョッパーや便利なホイッパーもセットになっています。
スリムなデザインでカラーも選べるので、インテリアとも馴染みやすいです。
つぶしたり裏ごししたりと手間暇がかかる離乳食作りも、手早く時短になりますよ♪
そして次に紹介する『ほうれん草のペースト』はおかゆに混ぜたり、中期以降にも離乳食に利用したりと、作り方を覚えておくと便利です!
たくさん作って冷凍保存も可能ですので、忙しいあなたの強い味方になってくれます。
①ほうれん草は葉の部分だけを使う(茎は葉よりも固いため)
②流水で良く洗い、たっぷりのお湯で長め(2分程度)にしっかり茹でる
③冷水につけてよくアクを抜くき、水気をきる
④すり鉢やブレンダーを使用して、よくすり潰す
⑤裏ごしして繊維を取り除く
⑥湯冷ましでトロトロのペースト状になるまでのばせば完成
ほうれん草は赤ちゃんから大人まで、必要な栄養が詰まった食材です。
赤ちゃんの頃からたくさん食べて、ほうれん草の味を好きになってもらいましょう。
まとめ
ほうれん草とサラダほうれん草についてまとめました。
- ほうれん草とサラダほうれん草の違いは『シュウ酸』が含まれる量
- 普通のほうれん草はシュウ酸を取り除くためにアク抜きは必ず行う
- ほうれん草とサラダほうれん草に栄養価の違いはほぼない
- ほうれん草の旬は冬で栄養価も甘みも強くおいしくなる
いつでも買いやすいほうれん草は、食卓の彩にもなり栄養も豊富な食材です。
正しいアク抜きやおいしい見分け方で、健康な食事を楽しみましょう♪
どうしてほうれん草は、生でそのまま食べられないのだろう?